1.消費者庁関係
⑴ 美容クリームの効果を断定する広告及び定期購入の誤認表示で特定商取引法に基づく業務停止命令
美容クリーム等の広告表示で、根拠なく一定期間塗布するだけで確実に効果が得られるかのようにうたっていたほか、定期購入であることをわかりにくく表示しているなど消費者が誤解する可能性が高い表示を行っていた通信販売事業者に対し令和7年9月10日、特定商取引法に違反するものとして業務停止命令を行った。
誇大広告(優良誤認、有利誤認・事実相違)、特定申込みに係る手続が表示される映像面における誤認表示で6カ月間の業務停止命令を受けたのは、ASUNOBI(東京都港区)。
同社は、美容クリーム「ピュアリースキン シルキータッチ モイスチャークリーム」を販売するにあたり、自社ウェブサイトで「誰でも確実に7日でシミが完全消滅」、「濃くて根深いシミも… 3日で完全消滅」、「塗るだけでシミが完全消滅」、「3日でシワ消えるわよ「塗るボトックス」」、「3日塗るだけでしわがピーンと伸びるんです!」などと表示し、あたかも本商品を3日間又は7日間塗布するだけで皮膚のシミやシワを完全に消すことができるかのような表示を行っていた。そのため、表示の裏付けとなる合理的根拠を示す資料の提出を求めたところ、提出された資料は合理的な根拠を示すものとは認められないものであり、これらの表示は優良誤認表示だった。
また、広告では、「通常価格21,890円(税込) 特別価格1,980円(税抜)」、「1本でシワ消したい」という方にオススメ!」、「1回限り解約不要 追加料金一切なし 本日限定 80%OFFでプレゼント」、「詐欺広告にありがちな「最低○回は購入してください」という『購入回数のお約束なし』」などと、あたかも1,980円のみで1本購入でき、2本目以降の購入を義務付けられるなどの制約はないかのように表示していたが、実際には、解約期限までに手続きしないと高額な定期購入が継続し、最低でも解約料等として1万円超を支払う必要があり、初回1,980円のみで購入できる契約ではなかった。
⑵ 「期間限定」を強調した外壁塗装の広告表示で景品表示法に基づく措置命令
期間限定をうたった住宅外壁塗装サービスのキャンペーンについて、表示していた期間を過ぎても変わらず同様のサービスを続けていた事業者に対し令和7年9月22日、景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
有利誤認により措置命令を受けたのは、創建(大阪府大阪市)。同社は、住宅の外壁塗装サービスを提供するにあたり、自社ウェブサイトに、「内窓も取付 創建負担で実質0円」、「好評につき期間延長!4/1~4/30まで 外壁塗装の値段だけで 窓の断熱リフォーム 窓リフォーム代追加費用実質0円!」、「今だけ!創建ペイントなら外壁塗装の金額に創建負担で実質0円!」、「\キャンペーン期間残り僅か、お急ぎください!/実質0円キャンペーンが4月末まで」などと、あたかも期限までに本件役務の申し込みを行った場合に限り内窓の設置が無料で提供されるかのように表示していた。ところが、実際には、期間が過ぎても同様に内窓の設置を無料で行っており、これらの表示は不当なものだった。
⑶ 「通常価格」を用いたカキ小屋の不当な二重価格表示で景品表示法に基づく措置命令
カキ料理を提供するにあたりチラシに不当な二重価格表示を行っていた事業者に対し令和7年10月10日、景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
有利誤認により措置命令を受けたのは、LH(東京都目黒区)。同社は、ショッピングモールなどで開催されていたイベント「出張カキ小屋 牡蠣奉行」で提供する料理「宮城県産 カキ一盛り(約1kg) ※焼きガキ用」について、ウェブサイトに掲載したチラシに「旬の東北のカキを特別価格でご提供!!」、「復興支援価格!!」、「宮城県産カキ一盛り(約1kg) ※焼きガキ用 通常価格 1,380円(税込) →880円(税込)」と、あたかも「通常価格」が通常提供している価格であり、実際の提供価格がこれに比べて安いかのように表示していた。ところが、実際には、「通常価格」は「出張カキ小屋 牡蠣奉行」のイベントでは提供した実績がなく、不当な二重価格表示だった。
⑷ 英会話教室の入会金の不当な二重価格表示で景品表示法に基づく措置命令
英会話教室の入会金について実績のない通常価格を表示したうえで「入会金0円」表示をしていた語学教室事業者に対し令和7年10月17日、景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
有利誤認により措置命令を受けたのは、NOVAランゲージカンパニー(東京都品川区)。同社は、英会話コースの「おためし留学」、「マンツーマン留学」、「オールインコース」、「NOVAバイリンガルKIDS」などについて、自社ウェブサイト「NOVA駅前留学。」で、「秋のスーパーBIGキャンペーン 期間限定9.30 月 まで」などと表示したうえで「入会金 一般 20,000円(税込22,000円) ▸0円」、「入会金 KIDS 10,000円(税込11,000円) ▸0円」などと、あたかも通常は一定額の入会金が必要であるところ、キャンペーン期間中は入会金が無料になるかのような表示を行っていた。ところが、実際には、表示されていた入会金額は、過去一定期間において実際に支払いが必要となった実績がないものだった。
⑸ 日用品の原産国が国内であるかのように誤認させる表示で景品表示法に基づく措置命令
海外で生産された日用品などについて、実際とは異なる原産国を表示し販売していた2事業者に令和7年11月5日、消費者庁及び公正取引委員会事務総局東北事務所による調査結果を踏まえ景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
商品の原産国に関する不当な表示で措置命令を受けたのは、アイリスプラザ(宮城県仙台市)及びダイユーエイト(福島県福島市)。2社は、ウェブサイトで「ペットキャリー」、「キッチンマット」、「ティッシュ」、「ベビーカー」、「木製チェア」、「シーツ」など、アイリスプラザは101点、ダイユーエイトは113点の日用品・生活雑貨などを販売するにあたり、原産国(地)として「国内」と、あたかも日本製または日本で生産されたものであるかのように表示していた。ところが、実際の原産国は、中国、台湾、タイ、フィリピン、メキシコなど、事実とは異なるものだった。
⑹ 実績ない通常価格表示により安売りを誤認させる不当な二重価格表示で景品表示法に基づく措置命令
ECサイトで実際よりも割安と誤認させる不当な二重価格表示を行っていた事業者に令和7年11月28日、景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
有利誤認により措置命令を受けたのは、㈱ツルハグループマーチャンダイジング(東京都港区)。同社は、自社ウェブサイト「ツルハグループe-shop本店」で日用品、生活雑貨、衛生用品など79商品を販売するにあたり、「特別価格:498円(税込) 通常価格:612円(税込)」、「特別価格:987円(税込) 通常価格:1,098円」、「特別価格:1,955円(税込) 通常価格2,418円(税込)」などと、あたかも通常価格に比べて安い特別な価格で販売しているかのように表示していた。ところが、実際には、最近相当期間にわたって「通常価格」で販売した実績はないものだった。
⑺ 令和7年7~9月のネット上健康食品等表示監視により健康増進法違反のおそれがある事業者に改善を要請・指導
令和7年7~9月の期間に、インターネットにおける健康食品などの虚偽・誇大表示についてそれぞれ監視を行い、健康増進法第65条(誇大広告の禁止)第1項の規定に違反するおそれのある表示をしていた142事業者に対し表示の改善指導を行ったことを令和7年11月28日に公表した。
同監視業務は、一般的な検索エンジンを用いてインターネット上の健康食品などの表示をキーワードにより検索したうえ、検索された商品のサイトにおける健康保持増進効果等の表示を目視により確認したもの。
結果、インターネットにおいて健康食品等を販売している142事業者による155商品について、以下のとおり健康増進法第65条第1項の規定に違反するおそれのある文言等を含む表示を行っていたことが確認された。
- ① 加工食品8商品:抗酸化作用、熱中症対策、肌サイクルの活性化、疲労回復・筋肉痛の緩和、肝臓機能の強化、血液サラサラ、ダイエット、新陳代謝の活発化に効果を有すること等を標ぼうする表示
- ② 飲料等12商品:生理痛の緩和、ホルモンバランス調節、リラックス効果、授乳トラブル改善、アンチエイジング、おなかの調子を整える、抗炎症作用、血行改善に効果を有すること等を標ぼうする表示
- ③ いわゆる健康食品135商品:
- 熱中症予防、夏バテ対策、疲労回復、免疫力向上、脂肪燃焼、持久力・筋力アップ、いびき防止、睡眠サポート、声量アップ、腸内環境改善、体臭・口臭対策、バストアップ、美ボディケア、ダイエット、女性ホルモン活性化、更年期障害緩和、精力増進に効果を有すること等を標ぼうする表示
- 肌荒れ改善、美肌効果、日焼け防止、肌のシワやシミ・たるみ等の老化を解消、紫外線対策、スキンケア、毛髪力アップの効果を有すること等を標ぼうする表示
そのため、改善指導をそれぞれ当該事業者に対して行うとともに、出店するショッピングモールの運営事業者にも表示適正化への協力を要請した。
⑻ 根拠のないスマホコーティング剤の防キズ効果表示で景品表示法に基づく措置命令
合理的根拠がないにもかかわらずスマホ用コーティング剤の防キズ効果などをうたっていた事業者に令和7年12月18日、景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
不実証広告規制により、優良誤認で措置命令を受けたのは、SB C&S(東京都港区)。同社は、スマートフォン及びタブレット端末向けのコーティング剤「INVOL ULTRA コーティング」及び「INVOL Extra Fine コーティング」を販売するにあたり、商品パッケージやウェブサイトに「強固なガラス皮膜で傷から対象商品を保護」、「防キズ」及び「抗ウイルス・抗菌」、「■防キズ コーティングを施すことで、コーティング対象(端末ガラスなど)を上回る表面硬度の皮膜を形成し、表面をキズや擦れから保護できます。」、「■抗ウイルス・抗菌 抗ウイルス加工:製品上の特定のウイルスの数を減少(抗ウイルス活性値2以上)」などと、あたかも本件商品を画面等に塗布することで、傷を防止する効果、細菌の増殖を抑制する効果及び特定のウイルスの数を減少させる効果が得られるかのような表示をしていた。
そのため、同社に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、提出された資料は合理的な根拠を示すものとは認められないものだった。
2.厚生労働省関係
⑴ 虚偽・誇大な効能効果をうたった医療機器広告で医薬品医療機器等法に基づく措置命令
医療機器の販売にあたり、承認・認証された効能効果を超える虚偽・誇大な広告を行っていた事業者に対し、令和7年11月7日、医薬品医療機器等法(薬機法)に違反するものとして措置命令を行った。薬機法に基づき、違反広告に対する「措置命令」が発出されたのは今回が初めてとなる。
措置命令を受けたのは、インプレッション(兵庫県尼崎市)。同社は、家庭用電位治療器「イアス30000」を販売するにあたり、全国各地で実施していた体験会や説明の場などで、本商品を継続して使用することで糖尿病、高血圧等の疾病又は症状に治療効果があるかのような広告を行っていた。ところが、当該医療機器が認証を受けている使用目的又は効能は、「頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の緩解」に限られており、同社が行っていた広告内容は、これを超えるものであったため、薬機法第66条第1項が禁止する虚偽・誇大広告に該当すると判断された。
本件は、令和3年改正薬機法で導入された違反広告に係る措置命令(同法第72条の5)が適用された初の事例となった。措置命令では、違反行為の是正に加え、再発防止のための体制整備、役員・従業員への教育、再発防止策に係る改善計画の策定及びその提出などが命じられている。


